不在の残り香

2005年12月11日 日常
 

こんなに夜が来るのが怖いと思った日は久しぶりだね。
 
 
 

ひとりぼっちだね。
 
 
 
 

いつまで起きて待ってても、今日は誰も来ないんだよ。
 
どんなに今宵の闇が深くなっても、今日は誰も現れないんだよ。
 
すり足のような足音も、しない。
 
鍵を開ける音も、しない。
 
部屋に入ってくるまでの、気遣うような気配もない。
 
お帰りと言うことも、ない。
 
自分より少し高い温度が、ここにはいない。
 
 
 
 
 
冷え切ったまま、
冷たい布団の中で、
長い夜を七つくらい越えなくちゃいけないんだ。
 
 

朝が来たら、
なんでもないような顔で学校に行って
なんでもないように日々をこなして
レポートに追われて
おなかがすいたらご飯を食べなくちゃいけないんだ。  
 
 
 
 
 
 
残酷だと思ったのは鍵を残して旅立っていったことなんだ。 
 
 
 
 
 
不在の部屋を見渡せば
全てが家主の持ち物で、
全部置いていかれたモノたち。
 
  
 

取り残された空間の隙間から現れて
これからしばらくここに居続ける孤独が、
それらを、そして、ここにいる人間を、
優しく、けれど冷たく、くるんでいくよ。 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
それは酷い仕打ちだと思うんだよ。
分かっててその仕掛けにかかったのは他でも無く自分だけれど。
 

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